韓国に薬を持ち込む際の注意点を解説【手荷物や持ち込み規制について】
韓国に薬を持ち込む際の注意点を解説します。
韓国渡航では観光やグルメの楽しみがありますが、万が一に備えて「薬」の備えも大事です。慣れない海外では日本から持ち込む薬が頼りになります。
しかし、薬は無条件に持ち込めるものではありません。機内や韓国国内へ持参する際の注意点や韓国での薬の購入方法を、しっかり確認しましょう。
韓国行きの機内持ち込みが認められる薬
韓国行きの機内では、市販薬の持ち込みが認められています。市販薬は手荷物にして、必要な分だけ機内に持ちこみ、余分は荷物預け入れを利用しましょう。
市販薬は基本、事前の申請や処方せんなども要りません。できれば、どんな薬かすぐに分かるように、パッケージなどを移し替えずに、そのままの状態で持ち込むのが理想的です。
韓国行きの機内持ち込みに注意が必要な薬
次のような薬は持ち込み際に、条件付きで持ち込めます。
- 処方薬
- 医療機器
- 軟膏や液状の薬
処方薬
処方薬は、医師による診断をもとに作成される薬です。
機内への持ち込みは認められていますので、必要な分を手荷物として持ち込みます。
日本の航空便であれば、事前の申請や処方せんも要りません。しかし、海外の航空便を利用する場合は、英語での医師の診断書・処方せん・薬袋などの提示や事前申告が必要です。
医療機器
医療機器とは、糖尿病の治療薬インスリン注射や吸入器、心臓のペースメーカーなどのような器具を指します。基本的に日本の航空会社では、事前の申請や医師の診断書は必要ありません。しかし、国際線を利用する際は、次のような規制があります。
- 英語で書かれた医師の診断書や処方せんを持参
- 必要な分量に限る
医療行為が必要な方は、持ち込み方法は航空会社によって異なりますので、事前に確認してください。
軟膏や液状の薬
かゆみ止めの軟膏や目薬のような液状薬も機内持ち込みができます。持ち込む際は、国際線の液体持ち込みの規定に従って持ち込みましょう。
軟膏や液体は100㎖以下の容器に入れ、容器1リットル以下のジッパー付き透明プラスチック製袋へまとめておけばOKです。
韓国に薬を持ち込む際の注意点
韓国国内へ自己使用の医薬品を持ち込むことも、認められています。しかし、日本の出入国規定とは少し異なっているので注意が必要です。
- 医薬品の持ち込みには上限がある
- 処方せんや医師の診断書が必要な薬もある
- 輸送や代理人持ち込み禁止の薬がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医薬品の持ち込みは上限がある
韓国へ自己使用の医薬品を持ち込む際は、次のような規定があります。
- 6本または3カ月分服用の量まで
- 健康機能食品は6本まで
- 一人当たり米ドル800ドルまでが免税範囲
引用元:駐日本大韓民国大使館HP
どうしても足りない時は、韓国で調達しましょう。
診断書や処方せんが必要な薬もある
処方薬の持ち込みには、英語や韓国語の処方せんや医師の診断書が必要です。日本や韓国の検問を通る際に、中身が分からない薬であれば、診断書や処方せんの提示を求められます。持病や体調に不安がある方は、かかりつけ医や薬剤師へ相談しましょう。
また、薬を持参する際に、シートから薬を取り出して移し替えるのは、要注意です。どんな薬か判断しにくく、怪しまれる可能性もあります。元々のパッケージの状態で持ち運びましょう。
輸送や代理人による持ち込み禁止の薬がある
海外では、輸送や本人以外が薬を持ち込むことを禁止している国があります。
韓国では、依存性のある「麻薬医薬品」「向精神薬」が規制の対象です。薬の持ち込みは、使用する本人のみが持参して持ち込みます。
一部の医薬品を輸送したり、代理で持ち込んだりが可能なケースはありますが、その際も申告や手続きが必要です。韓国での薬の持ち込みについては、「食品医薬品安全処」が所管しているので、不安な場合や判断が難しい場合は問い合わせてみましょう。
韓国への持ち込みに厳しい規制がある薬
韓国への持ち込む薬の中には、厳しく規制されているものがあります。向精神薬と呼ばれる薬で、睡眠薬や精神安定剤などの中枢神経に効く薬です。依存性があるため、韓国や日本では厳しく規制されています。向精神薬に関する入出国時の規定は、日本と韓国で次のように異なります。
日本
- 出国:既定を超える量や、注射器を使った投薬の場合は、医師の診断書や処方せんの所持が必要
- 入国:既定を超える量や、注射器を使った投薬の場合は、医師の診断書や処方せんのほかに、輸入確認証も必要
引用元:厚生労働省.海外渡航先への医薬品携帯による持ち込み・持ち出しの手続きについて
韓国の出入国
- 睡眠薬や神経安定剤「ゾルピデム」「ジアゼパム」「アルプラゾラム」「ロラゼパム」などの向精神薬が対象
事前に、食品医薬品安全処麻薬政策課への届出が必要
引用元:駐日本国代官民国大使館,自己治療用麻薬類医薬品の搬入許可申し込みに関するご案内
韓国への届出には、入国10日前までの申込期限があるので、余裕をもって申請しましょう。
韓国への持ち込みにおすすめの市販薬
韓国滞在中は、慣れない環境から体調を崩してしまう可能性があります。以下のような市販薬を用意しましょう。
海外で役立つシーン | 代表的な市販薬 | |
---|---|---|
胃腸薬 | 食べ過ぎ・飲みすぎ・食べなれないものによる胃腸の不調 | ・荒れた胃を修復:キャベジンコーワ ・胃の痛みや消化を助ける:太田胃散 |
風邪薬 | 気温や湿度の差による身体への負担 | ・総合風邪薬:パブロンゴールドA ・のどの痛みや熱に効く:ベンザブロックLプレミアム |
解熱鎮痛剤 | 腰痛や頭痛などの身体の痛み | ・高い鎮痛効果:EVE ・胃にやさしい:バファリン |
胃腸薬
韓国では辛い物の食べ過ぎで、お腹を壊してしまうことがあります。唐辛子などの辛いものは胃粘膜を傷つけやすく、胃痛を感じやすくなります。また、生ものの摂取や食環境の変化で、胃腸が不調になりやすいため、胃腸薬は必需品です。
風邪薬
韓国は、日本と気候が異なるため、風邪をひきやすくなります。例えば、冬の韓国は氷点下になるなど、日本よりも寒さが厳しいのが特徴です。上着で温度調節できるようにしつつ、万が一のために、風邪薬を常備しましょう。
解熱鎮痛剤
気温の差による頭痛や肩こりや腰痛に不安のある方、女性であれば生理痛など、急な痛みが起こることが予想されます。快適な韓国滞在を楽しむためには、鎮痛剤は欠かせません。また、風邪や体調不良による発熱も、解熱剤を携帯していると安心です。
上記以外では、花粉によるアレルギー薬や酔い止めなど、不安がある方は携帯しましょう。
【持ち込み以外の薬が必要に!】韓国現地の薬や医療機関の注意点
日本から持ち込んだ薬が切れたら、韓国の薬を買ったり、医療機関を受診したりしましょう。
韓国の薬を購入する際の注意点
韓国の市販薬はドラッグストアではなく、薬局で購入できます。白衣を着た薬剤師に症状を伝えて、薬を処方してもらいましょう。市販薬の中には、日本でおなじみのキャベジンや正露丸などが、そのままのパッケージで売られているので、すぐに見つけやすいでしょう。
薬局だけではなく、コンビニでも一部の医薬品を取り扱っています。近くに薬局が見つからない時は、24時間オープンのコンビニが便利です。しかし、韓国語が分からない方は特に、薬局で薬剤師に尋ねたほうが安全でしょう。
また、韓国の薬は日本と容量が異なります。同じ効能の薬でも、容量が日本の1.5倍から2倍ほど。効き過ぎたり、副作用が出たりする可能性もあります。服用には十分注意しましょう。
韓国の医療機関を受診する際の注意点
韓国で病気やけがをしたら、「ホテルのフロントへ相談」「海外保険のサポートサービスへ連絡」のいずれかの手段を選びましょう。
海外旅行保険に加入していれば、サポートサービスを受けられます。サポートサービスであれば、提携の病院の紹介から受診方法などを案内してくれます。
加入していなければ、ホテルのフロントに相談しましょう。
どちらの場合も病院へ行く際は、パスポートや服用している薬を必ず持参します。基本的には全額自己負担し、領収書を忘れずに受け取りましょう。領収書などがあれば、帰国後に海外療養費の請求ができ、一部返還されます。
また、緊急や事故の場合は、救急車へ連絡しましょう。
- ダイヤル:119 24時間・年中無休
- 日本語対応
韓国の医療費は高額になる可能性もあるため、保険への加入をおすすめします。
韓国への薬の持ち込みはしっかり事前確認を!
韓国への薬を持ち込む際は、航空機内や韓国の保安検査などのルールにより、さまざまな規制があります。ご自身の薬が事前申請や医師の診断書が必要な薬なのかどうか、前もって確認しておきましょう。
薬の持ち込みルールに限らず、海外では、日本のルールと違うことばかり。韓国に実際行ってみてから、戸惑うこともたくさん出てくるでしょう。その都度、対処法を自分で調べられるネット環境があると心強いものです。持ってきていない薬が必要になったり、体調不良で現地の病院に行くか迷った際なども、ネットに繋がれば安心です。
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韓国渡航の際も、ぜひご活用ください。
韓国への薬の持ち込みに関するQ&A
-
Q日本から韓国に薬を多めに持ち込みたいけれど大丈夫?
A韓国への薬の持ち込みは上限があります。
処方薬や市販薬などの医薬品は、6本か3カ月服用分までで、1人あたり米ドル800ドルを超えると、関税がかかります。
もし、足りなくなってしまったら、韓国で調達しましょう。
-
Q持病がある場合の、韓国への薬の持ち込み方は?
A機内へ必要な分の薬を持ち込むことが、許可されています。日本の航空会社であれば、申請はいりません。しかし、海外の航空会社では、処方せんや診断書の提示を求められる場合もあります。
-
Q持ち込んだ薬を使い切ってしまった際の対処法は?
A韓国で薬が必要になった場合は、韓国の薬局で処方してもらいましょう。
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