中国旅行でスマホはどうする?適切な準備・設定と携帯使用時の注意点【電子機器の検閲も解説】
この記事では、中国旅行に行く際のスマホの設定準備や、現地での使用上の注意点について徹底解説します。
中国旅行でネット検索やアプリの使用など、手持ちのスマホを自由に使えるのは必須です。しかし、中国では「グレート・ファイアウォール」という検閲システムによる、厳しいインターネット規制が行われ、検索や使えるサービスに制限があります。
そこで、中国には一体どのような規制があり、規制なしでスマホを自由に楽しむにはどうしたらよいかを丁寧に説明していきます。記事後半では、2024年7月から施行されている電子機器の検閲にも触れますので、ぜひ渡航前にご確認ください。
中国では旅行時もスマホ使用にネット規制がかかる
中国本土では、政府によるネット検閲や制限があり、日本のように自由にインターネットを使用できません。
使えないサービス | 使えるサービス | |
---|---|---|
メッセージアプリ | LINE・Facebook・ Instagram・X(Twitter) |
携帯電話のSMS |
メール | Gmail | Yahooメール・Outlook |
検索エンジン | Google・Yahoo検索 | Bing |
動画 | YouTube・ニコニコ動画 ・NetflixやTverなど |
ー |
クラウドストレージ | Google Drive・Dropbox | One Drive |
コミュニケーションツール | Google Meet | ZOOM・Skype・Slack ・Chatwork |
その他 | Amazon Japan・ChatGPT・Googleマップ | ー |
上記のように、日本でお馴染みのサイトやアプリは利用できません。今は使えていても将来的に使えなくなる可能性はあるので、最新の情報をチェックしましょう。
これらのサービスが使えない理由としては次のような理由が挙げられます。
- 中国政府に対しての不利益な情報の規制
- 中国独自のSNSやサービスの拡大
中国政府に対する批判的な情報や国際的に不利益な情報は、すべて遮断しています。海外のネットニュースや個人の批判的なSNS投稿に至るまですべて規制対象です。また、特定の言葉の検索もできません(検索禁止ワード)。
- 検索禁止ワードの一例:天安門や法輪功事件に関するワード、習近平国家主席を揶揄する言葉など
また、中国のネット規制は、中国のIT市場が拡大する要因にもなっています。Googleなどの大手海外企業が中国市場から撤退したことにより、中国国内の「百度(バイドゥ)」「微博(ウェイボー)」が台頭し、IT企業が急成長しています。
香港やマカオではネット規制はない
中国の特別行政区として位置づけられている「香港」や「マカオ」は、ネット規制はありません。どちらも一定の自治権があり、独自の法律や経済システムが維持されています。
日本と同じようにLINEやYouTubeの使用、検索禁止ワードはなく自由にネット検索が可能です。しかし、香港では現在、以下のサービスは利用できません。
- TikTok
- ChatGPT
また、2020年に国家安全維持法(国安法)の施行を受け、徐々にインターネット規制が厳しくなっています。将来的には、中国本土のように規制強化の可能性もあるため、常に情報をチェックしておきましょう。
>>香港のWi-Fi事情についてはこちらを参考に
中国旅行でスマホからネット規制を回避するにはVPNが必要
中国のネット規制を回避するには、VPNの利用が必要です。VPNとは、「Virtual Private Network(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」の略で、仮想のネットワーク空間を意味します。
VPNとは
VPNは、ネット上に自分専用の回線(トンネル)を仮に作る仕組みです。この仮の回線を作ることで、日本からのVPNサーバーに接続すれば、中国からのアクセスが日本からのアクセスのように偽装できます。また、通信内容が暗号化されるので、中身が判別できなかったり、ブロックするのが困難になったりします。このような理由から、中国でブロックされているサイトは、VPNを利用すれば、見られるということです。中国でLINEやInstagramなどを使いたい方は、VPNを利用すれば使えるようになります。
中国政府によるVPN規制の強化
中国でVPNを利用すれば、サービスやネット検索が自由にできますが、完全に回避するのは困難です。使えていたものが、突然使えなくなる可能性は十分にあり得ます。
近年では、中国政府が常にVPN対策を強化し、VPNの検出と遮断技術を進化させています。そのため、無料のVPNのようなセキュリティの脆弱なサーバーは使えなくなったり、有料でも接続が不安定になったりすることもあるでしょう。さらに、もともとはVPNの使用自体が違法となる可能性もあるため、長期的に使うには注意が必要です。
中国旅行でスマホを日本と同じように使う方法3選
中国で規制を受けずに、スマホを自由に使うには次のような手段があります。
- ポケットWi‐Fi(VPN機能付)
- 日本キャリアの海外ローミング
- 中国用のeSIM・SIMカード
これらのサービスを比較すると、次のような違いがあります。
ポケットWi‐Fi | 海外ローミング | eSIM・SIMカード | |
---|---|---|---|
設定方法 | ◎簡単 | ◯簡単 | △知識が必要 |
費用 | ◯安いサービスなら◎ | △割高 | ◯比較的安い |
申込 | ◎簡単 | △事前申込や条件がある | △事前にWeb申込み可 |
詳しく内容を解説します。
ポケットWi−Fi
日本で事前にポケットWi-Fiをレンタルする方法です。中国で規制もなく、安心してインターネットを利用するなら、ポケットWi-Fiがおすすめです。
ポケットWi−Fi | |
---|---|
費用* | 1GB:600円〜 無制限:900円〜 レンタル代:220円〜 |
特徴 | 設定が簡単 セキュリティが強固 受取や返却が簡単 複数での同時接続が可能 |
デメリット | 持ち運ぶ荷物が増える 端末の充電が必要 |
*海外WiFiレンタルショップの通信料金を引用
設定はとても簡単で、モバイルWi-Fiに書かれたIDやパスワードを入力するだけなので、スマホ操作が苦手な方でもできます。また、Webで申し込めば空港での受取や返却ができて便利です。料金もキャリアの海外ローミングと比較しても安く、通信費などの総額が安いサービスを選べば、節約もできるでしょう。
とくに、海外WiFiレンタルショップでは通信費はもちろん、レンタルにかかる総額の費用が安いサービスです。さらに、業界初の「電源オフの日は通信費0円」を実施中!個別のネットワークとパスワードでセキュリティも強固。安くて安心できる海外WiFiレンタルショップがおすすめです。
>>まずは中国滞在でかかる通信費用を簡単シミュレーションで計算してみる
海外ローミング
日本で契約している、キャリアの海外ローミングサービスを利用する方法です。スマホのSIMカードを入れ替えずに、そのまま中国で利用できます。下記は3大キャリアの海外ローミングプランをまとめました。
海外ローミング | |
---|---|
費用 | ・ドコモ世界そのままギガ:24時間980円、3日間1,780円 ・ahamo:最大20GB2,970円/月* – ・au海外放題:24時間1,000円〜(予約割適用) ・au世界ダブル定額:最大2,980円/日 – ・ソフトバンク海外あんしん定額:24時間3GB980円〜 |
特徴 | ・新たな契約せずに日本のキャリアが使える ・設定が簡単 ・荷物が少なくて済む |
デメリット | ・通信費が高額になりやすい ・事前申込や使用の条件などがある |
*海外ローミングプランではなく、国内契約の月額料金でそのまま海外でも利用できる
海外ローミングは設定が簡単ですが、事前申込が必要であったり、使えるデータ容量に制限があったりします。大きなデメリットは、料金が高額になりやすいこと。料金は定額制ですが、料金設定自体が割高のため、使いすぎや長期利用すると高額になります。大容量の無制限プランだと、最大2,980円/日。
さらに、海外からの通話料も通話し放題が適用されないので、高額になりやすい傾向があります。便利ですが、使い方に注意したい手段と言えます。
eSIM・SIMカード
手持ちのスマホにSIMカードを入れ替えたり、ダウンロードしてeSIMを利用したりする方法です。
eSIM・SIMカード | |
---|---|
費用 | ・SIMカード:最大30日間3GB1,900円〜 ・eSIM:6日間5GB 1,580円〜 |
特徴 | ・通信費が安い ・荷物が少なくて済む |
デメリット | ・設定が難しい ・スマホはSIMフリーやeSIM対応機種 ・SIMカードは非常に小さく、入れ替え時に紛失も |
中国でも現地のSIMカードやeSIMを購入できますが、Googleなどのサービスが制限されます。そのため、事前にWeb上で、中国のグレート・ファイアウォールを回避できるeSIMやSIMカードを準備しましょう。
SIMカードやeSIMは、通信費を安く抑えられるのが、大きな特徴です。しかし、SIMフリーやeSIM対応の機種でないと使えないうえに、入れ替えや設定方法が少し知識がないと難しく感じるでしょう。また、入れ替え時に日本のキャリアSIMカードを紛失してしまうリスクもあるため、保管には十分注意が必要です。
中国旅行でスマホを使う際のサービス選び【押さえたい2つのコツ】
上記のようなサービスがある場合、どれを選んだらよいか迷ってしまうでしょう。そんな時は次のようなポイントで選んでください。
- 費用の総額の安さ
- 通信速度や安定性
詳しく説明します。
費用の総額の安さ
中国でスマホを使うさまざまな手段やサービスがありますが、押さえておきたいのは「総額の安さ」。どのサービスを利用するかで、総額の費用がかなり異なります。3つの手段を、中国の無制限プランを3日間利用した場合の総額で比較してみましょう。
ポケットWi-Fi | 海外ローミング | SIMカード |
---|---|---|
海外WiFiレンタルショップ 3,360円* (通信料900円/日+レンタル料220円/日) |
au世界ダブル定額 8,940円 (最大2,980円×3日間) |
eSIM 1,980円 |
*受取や返却の方法によって総額が異なるため、送料は含めていません。
総額では、SIMカードが最も安くなります。しかし、SIMカードやeSIMの場合、無制限でも低速になるものがあるので、確認が必要です。例えば、1日の使用量が3GBなどある程度に達すると、最大速度がほとんどスマホが利用できないほどの低速となり、0時を過ぎるまで(日本時間や中国時間など基準は異なる)は制限がかかったままです。また、販売元が中国など海外の会社が多いため、サポート体制もあまり満足のいくものではありません。
一方、ポケットWi-Fiサービス「海外WiFiレンタルショップ」なら、激安ではありませんが、無制限プランも快適に利用可能です。5GBまで高速通信であり、その後も500Kbpsで画像や動画の閲覧は低速ながらも、アプリ使用やLINEの音声通話などは問題なく使えます。また、日本語で24時間365日対応してもらえるなど、安心です。
通信速度や安定性
ネット制限がかかる中国では、通信の速度や安定性が重要です。3つの手段では次のような特徴があります。
- ポケットWi-Fi:安定性があり、比較的速度も早い
- SIMカード:高速速度に対応したものが多いが、通信が不安定になる地域もある
- 海外ローミング:通信速度は比較的遅くなる傾向で、一定の容量を超えると速度制限がかかるものが多い
一般的に、ポケットWi-Fiは海外での通信が安定し、速度も快適に使えるサービスがほとんど。また、セキュリティ対策も強化しているサービスも多いため、安全性もあります。海外WiFiレンタルショップでは、個別のネットワークとパスワードで通信を保護しているため、安全性の高いサービスと言えます。
上記のことから、費用が安く、通信速度や安定性のあるポケットWi-Fiがおすすめです。
中国旅行中のスマホ利用の注意点【3つの掟】
日本とは違い、中国ではスマホの利用が制限されるケースがあります。違反すると、スマホ内の情報を調べられ消去を命じられたり、厳しい尋問や注意を受けたりするため、注意しましょう。
中国では撮影禁止エリアがある
中国国内ではスマホのカメラなどで撮影してはいけない、禁止エリアがあります。
- 公的機関
- 軍事施設/設備
- 警察関連施設/設備
- 毛沢東記念堂や博物館など
- 警察官や軍関係者など
一般的に上記のような施設には「撮影禁止」の掲示がありますので、必ず確認しましょう。ただし、軍関連の病院など一見しただけでは分からない場所も撮影を咎められるケースもあります。また、中国の地図アプリや検索エンジンを使っても、明確な場所は特定できません。中国ではむやみに撮影しないほうが無難です。
もし、撮影禁止を犯した場合、警告だけではなく、逮捕や拘束など取り返しのつかないことも予想されるので、注意してください。
中国ではSNSで政治的な批判はしない
中国でSNSを利用する際は、政治的な批判はもちろん、共産党や国家主席に対する発言も控えましょう。中国の「WeChat」などのサービスはもちろんですが、XやInstagramなどの中国で使えないサービス上でも、発言には配慮したほうがよいでしょう。
中国では反スパイ法があり、スパイ容疑をかけられると、尋問やスマホなどの電子機器の検査を行えます。もし、中国政府を批判する内容が見つかった場合、拘束や逮捕の可能性もあるでしょう。旅行者が拘束される可能性は低いですが、トラブルになり得る行動や言動は避けてください。
中国アプリやサービスは監視や検閲の対象である
中国のアプリやネットサービスを利用する際は、発言や投稿する写真、検索する内容に十分注意しましょう。
中国国内では、LINEやGoogleサービスに代わるサービスが提供されています。使い勝手がよく、非常に便利です。とくに、Googleマップは中国で使えたとしても、正確ではないため、中国の地図アプリを利用するほうが良いでしょう。
ただし、中国アプリはすべて政府の監視下に置かれ、情報の検閲が可能です。怪しい発言はすぐに消去され、何度も同じような発言があれば、スパイ容疑がかけられることも。また、中国人の間でも検閲されているのは周知の事実で、発言内容はかなり気を使っています。
旅行者であっても厳しく処罰されるため、中国のネットサービス利用は慎重になりましょう。
なお、中国サイトで自分のクレジットカードの番号やパスワードのような個人情報は、暗号化されて中国政府が閲覧するのは不可能です。「淘宝網(タオバオ)」のようなネット販売サイトや「支付宝(Alipay)」も安心して使えます。
中国旅行者も対象!スマホなどの電子機器検閲について
2024年7月より施行された新規定(国家安全機関行政執行手続規定)によると、国家安全機関の当局者が個人や組織のスマートフォンやパソコンなどの電子機器を検閲する権限を与えられました。国家安全機関とは、国内の反革命活動や外国からのスパイ行為を取り締まる機関で、各地方にも局が設置されています。この局員が正式な手続きを踏めば、個人や組織の電子機器を検閲できるという内容です。
これによって、SNS上では「中国に入国するすべての外国人のスマホやパソコンなどの中身を検閲する法案が義務化された」と投稿され、話題になっています。しかし実際は、「すべての外国人について、検問することが義務化」まではされておらず、あくまでも検閲する権限が与えられ、旅行者も検査の対象になる可能性があることを示唆しています。
- 検閲の対象物:スマホ、パソコン・タブレットのメールや写真、動画など
(以前はスマホやカメラなどの映像や画像の消去を命じられることがあっても、中身を閲覧される事例はほとんどなかった) - 検査の執行条件:反スパイ工作の任務を執行しているときなどの非常時
(具体的な事例がなく、曖昧で不透明) - 検査場所:中国税関(空港)を含む中国国内
※あくまでも可能性で義務化ではない
現状は、中国滞在中の日本人や出張者がスマホやパソコンなどを検査された情報はないので、「中国へ行くとスマホを検査される」といった内容を過度に心配する必要はありません。ただし、前の項目の3つの注意点は必ず守るようにしましょう。
中国旅行でスマホを快適に使うならポケットWi-Fi
中国旅行では、現地での手続きや状況が変化するため、常にインターネットが使える環境を整えておきましょう。また、スマホを日本と同じように快適に使うには、VPN機能が必須です。
いくつかあるインターネット手段の中でも、VPN付きのポケットWi-Fiなら設定が簡単で、手軽に利用しやすいため、おすすめ。どれにしようか迷うなら、費用が安く、セキュリティ対策も万全な海外WiFiレンタルショップを選びましょう。中国なら、1GB600円/日から利用可能。さらに、業界初の電源オフの日は通信費0円サービスを導入しており、費用の節約にも!ぜひ、海外WiFiレンタルショップを検討してみてください。
中国旅行でスマホを使う方法に関するよくある質問
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Q中国ではSNSやLINEが使えないって本当?
A中国政府のインターネット検閲システムにより、閲覧や使えるWebサービスを制限しています。主に、日本で馴染みのLINE、Googleサービスなどが使えません。使える、使えないサービスは下記でチェックしましょう。
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Q中国でもLINEやSNSを自由に使える方法は?
AVPN(Virtual Private Network)を使えば、中国のネット規制を回避できます。VPN付きのポケットWi-Fiなど、規制なしで使える方法を紹介しています。
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Q中国に入国する際にスマホやパソコンなどの電子機器の検閲はあるの?
A現在、空港で入国の際に、スマホやパソコンなどの電子機器の検問はありません。空港以外でもスマホやパソコンの検閲が日常的に行われているような事実はないため、極度に心配しなくてもよいでしょう。詳しい内容は下記で確認してください。
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